SpinelleのカゴシマDays

真鍮を使ったアクセサリーを作りながらフランス語を勉強してるSpinelleのブログです。

鹿児島で真鍮アクセサリーとフランス語やってます。

金属アレルギーを考える

 

アクセサリー製作者について知っておかなければいけない
知識の一つとして、金属アレルギーの知識があると思います。

特にピアス。
ネックレスやブレスレット、指輪などはまず接触するのは
人体の第一バリアである皮膚ですが、
ピアスの場合は皮下組織に直に接触するため、
金属アレルギーを発症する可能性が特に高くなります。

■メカニズム
金属アレルギーのメカニズムについてですが、
汗などによって溶けてイオン化した金属が体内の
タンパク質と結合、この結合したタンパク質が
アレルゲンとなり、金属アレルギーが発症します。

■発症データ
昭和62年に東京都済生会中央病院皮膚科で行われた
金属パッチテストでは、以下の件数順で
金属アレルギーが発症しています。

1、水銀 67件
2、ニッケル 37件
3、コバルト 37件
4、スズ 35件
5、パラジウム 31件
6、クロム 26件
7、銅 21件
8、白金 10件
9、亜鉛 5件
10、金 5件

出典:http://www.health.ne.jp/library/5000/w5000381.html

■考察
ニッケルは腐食しにくく価格が安いのでアクセサリーの
パーツに使用されることが非常に多いです。
アクセサリーを購入する際はニッケルフリーかどうかを
確かめたほうがいいと思います。
作り手はもちろん、ニッケルフリーの材料を
使ったほうが良いでしょう。

注意したいのはプラチナや金でもアレルギーを発症する
場合があるので、特に傷口がふさがりきっていない
ファーストピアスの場合は、金属より樹脂などの方が
安全かもしれないと思います。

■対応
自分の作っているアクセサリーで多いのは
真鍮という素材です。
 
真鍮は「銅Cu と亜鉛Zn の合金で、特に亜鉛
20%以上のもの(出典:Wikipedia)」を指します。
 
上記の金属アレルギー発症順位は7番(銅)と
9番(亜鉛)となり、真鍮自体もアレルギー発症率は
低い金属というのが一般的な評価なのですが、
上記データを見ると件数ゼロというわけではないので
気にはなります。特にピアスは気になります。

自分の対応としては、例えば真鍮ピアスなどに関しては
自作するより市販のチタンポストのものや
サージカルステンレスのものを購入した方が
良いのではないかと感じました。
チタンやステンレスは、表面に腐食抵抗性の酸化皮膜を
け形成する=イオン化しにくい安定性の高い金属なんです。

また、最近は無機質ケイ素系のコーティング剤を用いて
アクセサリーをコーティングするようにしています。
無機質は編成しないので汗によるイオン化という
根本原因から解放されるためです。
また、自分はパーツのメッキ剥げがとても気になるのですが、
コーティングはこの可能性もかなり減らすことができます。

コーティングできる素材には限界があるのが難点ですが、
フックピアスなどは、コーティングが可能なので、
できるだけ使用したいです。

フック?キドニー? ピアス形状について考える

 

ピアスパーツ(主にフックとキドニー)について考察します。

■フックピアスの問題点
ピアスに関してよく受ける相談は、
「片方(もしくは両方)落とした」というものです。
デザインに関してフックも可愛いと思って
使用していたのですが、落とす確率が高いのもフック。
なぜならフックは留め具をつけずに使用したり、
留め具自体が外れることがあるからです。

■キドニー?
キドニータイプというのはアメリカでの名称なので
自分は日本でのこのパーツの名称がわからんのですが、
要するに留め具が一体化してるタイプのパーツです。
 
面白いので自分は4種類くらいのサイズを購入しました。

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左がフック、右がキドニーです。

■考察
この画像のものはフックタイプとほぼ同じ大きさなので、
見た目にも大きな違いはありません。

自分としては購入するならキドニーを購入したいです。
フックタイプは留め具なしだとかなりの確率で紛失しますが
面倒くさがりな自分は留め具すら紛失しそうな気が(苦笑)。

一つ難点があるとすると、ピアスなので
アレルギー対策に金具をコーティングしたいのですが、
キドニーだと金具を稼働させる必要があるので
コーティングが不可能ということでしょうか。
ただ、自分が好む真鍮素材にはチタン系のグレーの金具も
色の相性が良いのでチタン系のパーツを使うことで
対応可能と思っています。